ESTONIA · 2019
エストニアPärnu
長い砂浜と緑の多い街並みが続くバルト海沿いの小さな街には、首都とは違う穏やかな時間が流れていた。
Pärnuは、Tallinnの旧市街とはまったく違う表情を持つ街だった。
この街では、海辺で過ごす時間そのものが、長く受け継がれてきた文化だった。
高い城壁や教会の尖塔が並ぶのではなく、低い建物と緑の多い通りが続いている。街から海へ向かうと、広い砂浜が現れる。バルト海の海岸は遠くまで続き、空まで大きくなったように感じられる。
Pärnuは中世には交易都市として栄えたが、19世紀になると海辺の保養地として発展した。1838年には海水浴や温浴を楽しむ施設が開かれ、その後は夏を過ごすために人々が訪れる街となった。現在もエストニアの「夏の首都」として親しまれている。
海岸の近くには、古い木造住宅や保養施設が残っている。かつて療養のために訪れた人々が過ごした街には、今もその時代の建築が見られる。
旧市街を歩いて歴史を探すTallinnとは違い、Pärnuでは街の中を歩き、そのまま海へ出ることが自然な過ごし方に思えた。
大きな見どころが次々と現れる街ではない。
それでも、木々の間を抜けた先に砂浜があり、海が広がっている。その距離の近さが心地よかった。
Pärnuでは、何かを見に行くというより、海辺の街で過ごすこと自体が旅になっていた。





